特定福祉用具購入とは|レンタルとの違い
介護保険の福祉用具支援には「福祉用具貸与(レンタル)」と「特定福祉用具購入」の2つがあります。
特定福祉用具購入の対象となるのは、入浴補助用具・排泄補助用具など「肌に触れる衛生用品」です。他者との共用(レンタル)に適さないため、購入費の補助という形で支援されます。
| 比較項目 | 福祉用具貸与(レンタル) | 特定福祉用具購入 |
|---|---|---|
| 対象品目 | 13品目(車いす・介護ベッド・歩行器等) | 5品目(入浴・排泄関連) |
| 費用の仕組み | 月額レンタル料の1〜3割を毎月負担 | 全額購入後に7〜9割が還付 |
| 上限 | 支給限度額内(要介護度別) | 年間10万円(年度ごと) |
| 対象者 | 要支援2・要介護1〜5(品目により異なる) | 要支援1〜2・要介護1〜5(全区分) |
対象5品目の詳細
① 腰掛便座
補高便座・ポータブルトイレ・シャワートイレ(水洗式ポータブルトイレ)が含まれます。立ち座り動作の補助・居室での排泄を可能にする用具です。
② 入浴補助用具
シャワーチェア(背もたれ・肘かけ付き)・入浴台(バスボード)・浴槽台・浴槽用手すり・浴室内すのこの5種類が対象です。各用具の詳細は入浴補助用具の選び方をご参照ください。
③ 簡易浴槽
空気注入式または折りたたみ式で、居室内での入浴を可能にする浴槽です。外出が困難な方や入浴設備のない施設利用者向けです。
④ 移動用リフトのつり具(スリング)
移動用リフトに装着して使用するスリングシートです。リフト本体はレンタル対象ですが、直接体に触れるつり具は衛生上の理由から購入補助の対象となります。
⑤ 自動排泄処理装置の交換可能部品
自動排泄処理装置(レシーバー・チューブ・タンク等)の交換部品が対象です。本体はレンタル対象(要介護4〜5が原則)ですが、交換部品は購入補助となります。
申請の流れ|5ステップで解説
特定福祉用具購入は購入後に申請する「償還払い」が基本ですが、自治体によっては購入前に事前申請が必要な場合があります。必ず購入前にケアマネジャーに相談してください。
-
ケアマネジャーへ相談する
「○○を購入したい」と相談し、特定福祉用具購入がケアプランに位置づけられているか確認する。要件を満たせばケアプランへの組み込みを依頼する。 -
指定販売事業者(指定特定福祉用具販売事業所)で購入する
都道府県が指定した事業者でなければ介護保険の給付を受けられません。事業者に「指定販売事業所ですか?」と必ず確認してください。 -
領収書・製品カタログを保管する
購入時の領収書と、品目・品名・型番・価格が確認できる製品カタログ(またはパンフレット)を申請まで保管してください。 -
市区町村の介護保険担当窓口へ申請する
必要書類:①申請書(窓口で入手)、②領収書(原本)、③製品カタログ・パンフレット、④ケアマネジャーが作成したケアプラン(または担当者確認書)。申請期限は購入後1年以内が目安(自治体によって異なる)。 -
支給決定・振込
審査(通常1〜2か月)の後、購入費の7〜9割(上限10万円)が指定口座に振り込まれます。
費用の計算例
| 用具名 | 購入費用 | 1割負担の自己負担額 | 支給額(9割) |
|---|---|---|---|
| シャワーチェア | 15,000円 | 1,500円 | 13,500円 |
| 補高便座(ポータブルトイレ) | 30,000円 | 3,000円 | 27,000円 |
| バスボード | 20,000円 | 2,000円 | 18,000円 |
| 合計 | 65,000円 | 6,500円 | 58,500円(年度上限10万円内) |
※上記は1割負担の方の例です。負担割合は所得により1〜3割が異なります。
同一年度に複数の特定福祉用具を購入して10万円を超えた場合、超過分は全額自己負担になります。また年度をまたいで分割購入すれば、新しい年度に新たに10万円の枠が使えます。
まとめ
- ☑ 要支援1以上・要介護1以上の認定を受けているか確認した
- ☑ 購入前にケアマネジャーへ相談した
- ☑ 「都道府県指定の特定福祉用具販売事業所」かどうか確認した
- ☑ 領収書・製品カタログを保管した
- ☑ 年度の上限(10万円)を確認した(他の特定福祉用具と合算)
- ☑ 市区町村の窓口に申請書の書き方を確認した