入浴補助用具とは|レンタルと購入の違いを理解する

入浴補助用具は、入浴時の安全性と自立を助けるための福祉用具です。浴室・浴槽は転倒・溺水などのリスクが高い場所であり、適切な用具を使うことで事故を大幅に防ぐことができます。

介護保険の制度区分として、入浴補助用具は「特定福祉用具購入」に分類されます。レンタルではなく購入が基本で、購入後に費用の7〜9割が介護保険から支給される「償還払い方式」が標準です。

なぜ入浴補助用具はレンタルではなく購入なのか

入浴補助用具は肌に直接触れる衛生用品であるため、他者との共用(貸与)に適さないとされています。そのため介護保険上は「特定福祉用具購入」として購入費補助の制度が適用されます。

介護保険対象の入浴補助用具5品目と選び方

① シャワーチェア(入浴用いす)

浴室内でのシャワー浴・洗身動作を座って安全に行うための椅子です。肘かけ・背もたれ付きのものが介護保険対象の基本要件(「背もたれ付き」が必要)です。

選び方のポイント:座面高は洗い場に座ったとき膝が90度になる高さ(目安40〜46cm)。背もたれ付きで肘かけがあるものが体幹を保持しやすい。滑りにくい素材・構造であることを確認する。

価格目安:5,000〜30,000円。介護保険1割負担なら500〜3,000円程度の自己負担。

② 浴槽用手すり(浴槽手すり)

浴槽の縁に固定して使う手すりで、浴槽への出入りを安全に行うためのものです。工事不要でネジで固定するタイプが一般的です。

選び方のポイント:浴槽の縁の幅(厚さ)に対応しているか確認する。グリップ部分の向き・高さが実際の動作に合っているか試してみる。

③ 浴槽台

浴槽内に置き、座位での入浴を可能にする台です。浴槽が深くて立ち上がりが困難な方や、湯船に浸かりたい方に適しています。

選び方のポイント:浴槽の底面に安定して置けるサイズであること。滑り止め加工があること。高さ調整ができるものは体格に合わせやすい。

④ 入浴台(バスボード・移乗台)

浴槽の縁に渡して設置し、浴槽への移乗を楽にするためのボードです。いったんボードに座ってから浴槽内に移動できるため、足腰への負担を大幅に軽減できます。

選び方のポイント:浴槽の縁幅に対応したサイズか確認する。表面の滑り止め加工の有無を確認する。車いすから直接移乗する場合は、車いす側の縁にも固定できるタイプを選ぶ。

⑤ 浴室内すのこ

浴室の床に敷いて段差を解消したり、すべり止めとして使うすのこです。浴室の床と洗い場の高低差がある場合に有効です。

品目主な用途価格目安1割負担目安
シャワーチェア座って安全に洗身する5,000〜30,000円500〜3,000円
浴槽用手すり浴槽の出入り時の支持5,000〜20,000円500〜2,000円
浴槽台浴槽内で座って入浴5,000〜25,000円500〜2,500円
入浴台(バスボード)浴槽への移乗動作の補助5,000〜25,000円500〜2,500円
浴室内すのこ段差解消・滑り止め5,000〜15,000円500〜1,500円

申請の流れ|購入前にケアマネジャーへ相談を

特定福祉用具購入は、購入後に費用の7〜9割が還付される「償還払い」が基本です。購入前に手続きを確認しておくことが重要です。

  1. ケアマネジャーへ相談:購入前に相談してケアプランへの位置づけを依頼する
  2. 指定販売事業者の確認:介護保険の給付を受けるには、都道府県が指定した「特定福祉用具販売事業所」での購入が必要
  3. 購入・領収書の保管:購入時に領収書と製品の内容が確認できる書類(カタログ等)を受け取る
  4. 申請書類の提出:市区町村の介護保険担当窓口へ申請(申請書・領収書・ケアマネジャーの確認書類等)
  5. 支給決定・振込:審査後に購入費の7〜9割(上限年10万円)が指定口座に振り込まれる
年間上限10万円は特定福祉用具購入全体の合算

入浴補助用具・腰掛便座・自動排泄処理装置の交換可能部品など、特定福祉用具購入に係る費用の合計が年間10万円を上限として計算されます。複数の品目を同年度に購入する場合は上限に注意してください。

まとめ

入浴補助用具 活用チェックリスト
  • ☑ 要支援1以上・要介護1以上の認定を受けているか確認した
  • ☑ 購入前にケアマネジャーへ相談した
  • ☑ 指定販売事業者かどうか確認した
  • ☑ 領収書・カタログを保管した
  • ☑ 年間10万円の上限を確認した(他の特定福祉用具購入と合算)
  • ☑ 自治体によっては事前申請が必要か確認した