要介護認定の区分と意味

介護保険の給付を受けるには、市区町村に申請して「要介護認定」を受ける必要があります。認定結果は「非該当(自立)」「要支援1・2」「要介護1〜5」の8段階に分かれ、段階によって利用できる福祉用具の種類と支給限度額が変わります。

区分状態の目安月間支給限度額(2025年4月)
要支援1基本的なADLはほぼ自立、一部支援が必要50,320円
要支援2ADLに一部介助が必要だが、改善の可能性あり105,310円
要介護1ADLに部分的な介助が必要167,650円
要介護2ADLに全般的な介助が必要197,050円
要介護3ADL全般に介助が必要。夜間も介助が必要270,480円
要介護4ADL全般に全介助が必要309,380円
要介護5意思疎通が困難。生命維持に介助が必要362,170円

要介護区分別の福祉用具レンタル対象品目

介護保険の福祉用具貸与(レンタル)は13品目が対象ですが、要介護度によって「使えない品目」があります。特に「介護ベッド」「エアマットレス」「移動用リフト」は要介護2以上でないと使えない原則があります。

品目要支援1・2要介護1要介護2〜5
手すり(工事不要)
スロープ
歩行器
歩行補助つえ(松葉杖等)
車いす(手動)△(原則対象外)△(原則対象外)
車いす付属品△(車いすに準じる)△(車いすに準じる)
介護ベッド(特殊寝台)△(原則対象外)△(例外給付あり)
介護ベッド付属品△(ベッドに準じる)△(ベッドに準じる)
床ずれ防止用具(エアマット)△(原則対象外)△(例外給付あり)
体位変換器△(原則対象外)△(例外給付あり)
認知症徘徊感知機器△(原則対象外)○(認知症診断があれば)
移動用リフト(つり具除く)△(原則対象外)△(例外給付あり)
自動排泄処理装置(本体)×(対象外)×(対象外)○(要介護4・5が中心)
要介護1での例外給付とは

要介護1の方でも、以下のいずれかの状態を「医師またはサービス担当者会議」が確認した場合は、介護ベッド・エアマットレス・体位変換器・移動用リフトを例外的に利用できます。
①日常的に起き上がりが困難
②日常的に寝返りが困難
③日常的に立ち上がりが困難
確認には医師の意見書または担当者会議の記録が必要です。ケアマネジャーに相談してください。

特定福祉用具購入(購入補助)の対象品目

購入補助(特定福祉用具購入)は要支援1以上が対象で、年間10万円(税込)を上限に1〜3割の自己負担で購入できます。レンタルと異なり、購入後は自己所有となります。

品目対象要介護度
腰掛便座ポータブルトイレ・補高便座要支援1以上
自動排泄処理装置の交換可能部品レシーバー・チューブ等要支援1以上
入浴補助用具シャワーチェア・浴槽台・バスボード要支援1以上
簡易浴槽空気式・折りたたみ式浴槽要支援1以上
移動用リフトのつり具部分スリングシート要支援1以上

住宅改修費補助との組み合わせ

手すりの取り付けや段差解消工事は「住宅改修費」として別途20万円(税込)を上限に補助されます。レンタル・購入補助の枠とは別で使えるため、組み合わせることで自己負担を抑えながら環境を整備できます。

住宅改修費の主な対象工事

①手すりの取り付け(壁への固定工事)、②段差の解消(スロープ工事・床材の変更)、③滑り防止(床材張替え)、④扉の交換(引き戸への変更等)、⑤洋式便器への交換。工事前に市区町村への「事前申請」と承認が必要です。工事後に申請しても補助対象になりません。

まとめ

要介護区分別の用具利用チェックリスト
  • ☑ 要支援1・2:手すり・歩行器・スロープ・購入補助5品目が中心
  • ☑ 要介護1:上記に加え例外給付でベッド等が使える可能性あり(ケアマネに確認)
  • ☑ 要介護2以上:13品目すべてのレンタルが原則として対象
  • ☑ 購入補助(年間10万円)はレンタルと別枠で要支援1以上が対象
  • ☑ 住宅改修費(20万円上限)はさらに別枠。工事前の事前申請が必須

要介護区分によって使える用具の範囲が大きく変わります。「この用具は使えるの?」という疑問はケアマネジャーまたは担当の福祉用具専門相談員に確認してください。例外給付の申請も含めてサポートします。